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港 湾 と 交 通

―西港大橋の計画から施工を通して―

上 田  雅 春

釧路市港湾部港湾計画課

 

 釧路港は東北海道一円を勢力圏とし, 道東における物流拠点港として発展を続けている。取扱貨物量も昭和5 9年で1700 万トンと全道で第4位の実績をもち, 取扱貨物量の伸びとともに港湾関連交通もまた増加傾向にある。 これに伴ない港湾関連交通と都市交通とのふくそう問題など, 交通に関する課題も大きい。

 この様な観点から港湾関係交通の円滑な処理を目途とし, 都市交通とのふくそう問題の解消をはかるため, 現在建設中である釧路西港大橋の計画から事業実施を通して, 港湾と交通の関係を以下にリポートしたい。

 

港湾関連交通の現状

 釧路港は昔からの交通の軸であった(旧)釧路川を中心として開けた東港区と, 昭和44年に建設に着手し, 現在なお建設がすすめられている西港区が(新)釧路川を境として東西に位置している。

 東港区は漁獲量全国一をささえる漁港ふ頭を中心とし, 一部商港機能をもった港として,その整備は概略完成をみている。西港区については, 外貿, 内貿を主として, 釧路港取扱貨物量の六割程度を占めるまでになり, 釧路港の物流の核として更に新たな展開が求められている港である。

 釧路港はこのように, (新)釧路川を境とし東港区と西港区に分けられることから, 西港区間の交通は既存の橋梁を利用することになる。

 現在(新)釧路川には3本の橋梁が架橋されており, 朝夕のラッシュ時において著しいふくそうを生じている。

 港湾関連交通の時間変動パターンは, 貨物流動時にピーク特性があらわれる等, 都市交通にみられる朝夕のピーク特性は就業者の通勤交通を除き, そのパターンの特定化はみられない。

 既存市街地及び東港区, 西港区の連絡は国道38号線の釧路大橋から西港跨線橋て処理されており, 特に西港跨線橋のふくそうが著しく, 港湾関連交通の特性の1つである大型車の混入率も高く容量低下の一要因ともなっている。このような現状から, 都市交通に与える影響の低減, 港湾関連貨物流動のスムーズ化等その対策が急務となり, 西港区と東港区を直接結ぶ橋梁の計画が立案されることになる。

 

西港大橘の計画について

 港湾における生成交通量(発生交通量)は, 一般的に港湾取扱貨物量より求められる。

 釧路港の将来貨物取扱量は, 釧路港の港湾計画(昭和6 2年目標)において, 2800万トンでオーソライズされており, これをべースに生成交通量を求める。

 これにより西港区の生成交通量は次のように推計される。

港湾取扱貨物量によるもの 25,516台/日
フエリーによるもの 1,844台/日
就業者によるもの 2,475台/日
計 29,835台/日

 西港区に発生する交通量は次の4タイプの分布パターンを考える。

(1) 港湾の取扱貨物の行先が特定のゾーンに限定される貨物車の分布
(2) 一般貨物車の分布((1)以外の取扱貨物量によって生じる貨物車の分布)
(3) フエリーにより生成する交通の分布
(4) 関連車,通勤交通の分布

 配分交通量については分割配分法を用い, これにより西港大橋利用台数は18,425台/日と推計される。 この内港湾関連車は10,057台/日, 55%となり, また, 既存の橋梁は西港大橋の完成により次のように低減がはかられる。

60年

62年
釧路大橋 37,924台/日

 → 

29,761台/日
新 川 橋 12,403台/日

 → 

9,640台/日

西港大橘の建設について

 西港大橋の架橋位置は, 東港区と西港区の一体化の観点から(新)釧路川河口に決定をみたが,その施工にあたって次の条件をクリアーする必要があった。

(1) (新)釧路川がサケ・マス・シシャモのそ上河川であることから工事工法の制約
(2) 水深1m前後の浅海域にあることから, 作業船の使用が不可
(3) 完成時におけるメンテナンス上の経済性

 このような条件を満足させるとともに, 経済性, 施工性, 美観及び維持管理面, 更に上部工事による海上架設の必要がない事から, 四径間連続PC箱桁(押し出し工法)の選択をみた。

工事概要

(1) 橋種 プレストレストコンクリート道路橋
(2) 橋格 一等道路橋
(3) 構造形式 四径間連続PC箱桁四連
(4) 橋長 380m
(5) 支間 4×47.15m+4×47.15m
(6) 巾員 22m(車道3.25m×4 歩道3m×2 )
(7) PC工法 主ケーブル VSL工法
      架設ケーブル TNC工法
(8) 架設工法 TL押し出し工法

 本橋の施工方法の特徴的なこととして, 前段の諸条件をクリアーさせるためにも採用した押し出し工法が上げられる。

 押し出し工法は, 190mの連続桁を横軸方向に二連仮設して, 全長380mの二径間連続桁として, 上下線別に押し出し架設を行い, 仮設終了後道路中心線上に継目地を設置し,片版同志を接合し橋体を完成させるものである。 橋体の制作は, 東港側にヤードを設置し冬季間も連続して行なわれる。

 現在押し出しは完了し, 釧路市で最長の橋として, その姿を表わしており昭和61年の完成へ向け工事がすすめられている。

 

む す び

 現在, 大規模な臨港道路の事業化が各地てすすめられているが, 港湾をまちづくりの一つとしてとらえるならば, 当然他の都市機能と整合のとれたものでなけれぱならない。

 港湾サイドあるいは都市サイドだけの個々の計画としてではなく, それぞれの果たす役割を明確にし, まちづくりとしての思想に裏打ちされた計画でなければならないのは当然であろう。

 西港大橋も都市側に与える影響が一つの要因となって計画されたものであるが, 今後も港湾側の基本的スタンスとして, 都市側と有機的に連絡のとれたネットワークの構築は, 必要と考える。

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