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苫小牧市のオートリゾート計画について

有  澤  昭

苫小牧市土木部緑地公園課
計画係長

1・ 計画の動機
 わが国の経済は,戦後40年余,高度成長期を経て, オイルショックを契機に安定成長に入り,その後も順調に発展を続け, 今日わが国のGNPは国民1人当り16,000ドルと世界有数のレベルに達し,国民の所得も飛躍的に伸びた。この間,国民の意識も大きく変化し, 「国民生活に関する世論調査」によれば,国民の生活に対する満足度は,今日, 国民の約7割が現在の生活に満足しているとし, また国民の約9割が自らの生活を「中流」と感じている。また,わが国の現在の平均労働時間は年間約2,100時間であるが,政府は, これを昭和65年度には2,000時間としたいとし, また21 世紀までには1,900時間以内とすることが展望されている。将来的な仮定としてわが国の労働時間を1,900時間とすると,完全週休2日制を実現した上で,更に2〜3週間の休暇増が見込まれることになるが,これらの目標が実現されたあかつきには,余暇時間をどの様に過ごすか, あるいは過ごせるかが大きな問題となろう。この意味では,リゾート地はこれまでの一過性の見世物型観光開発にとどまっているだけでは済まされず.一定期間の滞在型リゾート空間である必要がある。特に観光資源の多い本道に於いては,第一産業,第二次産業に替わって, これら第三次産業のウエイトが大きくなるのは想像に難くない。 しかしながら現実の北海道観光について見れば,近年広大な自然を背景とした本道の観光需要が増加の一途にあるが, その型態は旅行会社の企画するパック旅行であり, 自分の望む場所を納得できるだけ観光できるスタイルではない。また東京・大阪等大都市の人達は都心からは1〜2時間かけても大自然と接触する事ができないが,本道には空路2時間足らずで着くことができる。
 観光地が散在する本道は道路網が良く整備されているので, それぞれの目的地へは,車があれば容易に行ける。将来的には自動車免許取得率が8割を越えるであろうし,21世紀には高令化社会になることも見通されている中で,今後老人と子供は比較的まとまった休日を持てるであろう。
 この様な状況を踏まえ,来たるべき21世紀に向けてのビジョンとして, 本道に恵まれている大自然の中で国民の余暇・スポーツ・健康の維持増進,将来を担う子供達の教育の場等を整備し提供することは,国民のニーズに添うことと確信する。
 かかる観点から,建設省が進める第四次都市公園等50年計画の目玉事業であるリゾートパーク構想に合わせて,本市の自然豊かな錦大沼公園の隣接地に,全国初の本格的なオートキヤンプ場を備えたリゾートパークを計画するものである。

2. リゾートパークの位置地形
 本市は道央南部に位置している。本市の北西部には活火山樽前山とその山麓丘陵地帯が広がり,その大部分は支笏洞爺国立公園を含む国有林に覆われている。本計画地は,都心より西方約15kmの錦岡地区にあって,樽前山麓丘陵部先端に位置し,その懐には支笏湖水系の伏流水を湛えた大小の湖沼群を,豊かな天然林が取り囲む静寂な地にある。
 また, この周辺には, 牛馬を中心とした牧場が集中しており,牧歌的な環境にある。

3. リゾートパークの整備手法
 従前の公共施設は採算性を度外視する傾向が強かったが,今後はそういうわけには行かないであろう。そこで本計画ては採算性に結びつく集客力をつけるために,企画力, ノウハウ.資金力を有する民間活力を計画段階から参加させて行く考えてある。
 昭和63年度,基本計画を作成するが,施設の性格, 内容によって, その整備も公共と民間とで機能分担する必要がある。基本的には,基盤整備は公共,収益性のあるものは民活主導で推進する。施設の管理運営は企画力, ノウハウ等を有している民間事業者に委託する。

4. リゾートペークの特徴
 広大な本道でのリゾート活動を満足させるためには,道内各地に本市計画と同主旨の,それぞれの地域特徴のあるオートリゾート空間を配置し,ネットワーク化を図りながら利用者のニーズに応えることが不可欠である。
 特に本市は北海道の表玄関にあって,千才空港・鉄道・国道・道々・高速道路・苫小牧港(フェリー)等各交通輸送機関に至近であり,来(離)道者にとって極めて恵まれた位置にある。更に,本計画地は国内初の本格的なオートキャンプ場として情報提供・サービス・運営等の面で道内オートリゾートネットワークのキーサイトとして位置づけられており,本リゾートパーク供用開始のあかつきには,関連する交通輸送機関の利用率アップ,ひいては,地域振興にも資するものと考えている。
 ちなみに,本リゾートパークと各交通輸送機関との時間的な距離は, 自家用車利用の場合,

1 北海道縦貫自動車道苫小牧西インターチェンジから約10分
2 千才空港から約30分
3 苫小牧港(フェリーターミナル)から約20 分
4 JR苫小牧駅から約20分
5 国道36号より約5分
6 札幌市都心より高速道路利用で約90分とな っている。

5. オートリゾートネットワークと高規格幹線道路網
 今日,わが国のモータリゼーションの進展は著しいものがあり, 自動車輸送は国民生活や経済活動等に不可欠な役割をもち, また,地域の振興と活性化,国土の均衡ある発展に資するべく基盤である。
 北海道に計画中のオートリゾートネットワークの効果をあげるためには,個々の計画地が需要の発生する大都市圏や地方都市圏から,安全・快適で致達性に優れていることが必要であり, 高速道路や高規格道路等の高規格幹線道路網および, これに関連する交通機関との強い連携性が必要である。
 かかる観点からして, 本市のリゾートパークをキーサイトとする北海道オートリゾートネットワークの成功のカギは高規格幹線道路網の形成,国道・道路等の整備いかんにかかっていると言えよう。

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