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北海道の高速道路
仲 保夫
1 予定路線
「国土の普遍的開発をはかり、画期的な産業の立地振興及び国民生活領域の拡大を期すとともに、産業発展の不可欠の基盤たる全国的な高速自動車交通網を新たに形成させるため国土を縦貫し、又は横新幹線自動車道を開設し、及びこれと関連して新都市及び新農村の建設等を促進すること」を目的として、昭和32年4月16日「国土開発幹線自動車道建設法jが制定され、全国で19道32路線延長7,600kmの高速自動車国道が予定路線として設定された。
このうち道内では、北海道縦貫自動車道、北海道横断自動車道釧路線、北海道横断自動車道北見の2自動車道3路線延長1,020kmが計画に繰り入れられている。
路線ごとの内訳は表−1の通りである。
2 基本計画と整備計画
予定路線のうちから高速自動車交通の需要の充足、国土の普遍的開発の地域的な重点指向、その他高速自動車国道の効率的な建設をはかるため必要な事項を考慮して、内閣総理大臣を会長とする「国土開発幹線自動車道建設審議会」の議を経て基本計画区間及び整備計画区間が決定される。
これ等の計画では、北海道開発局が担当しており、基本計画立案に必要な一次調査と整備計画立案に必要な二次調査とに分け、路線選定、地質調査、気象調査、関連公共事業調査、経済調査(利用交通量の推定、採算性の検討、経済効果)、環境調査等の調査項目について昭和38年度より実施している。
北海道では、昭和41年4月に1972年冬期オリンピック大会が札幌市で開催されることが決定した事などが引き金となり、昭和42年11月22日の第7回国土開発幹線自動車道建設審議会において、北海道縦貫自動車道のうち千歳市から札幌市までの基本計画が決定されたのを最初にして、昭和53年11月の第25回審議会まで逐次計画区間が追加され ている。
整備計画の決定後、建設大臣から日本道路公団に対して施行命令が出され、道路公団は北海道開発局が行った諸調査を参考にしながら、更にくわしく調査を重ね、工事実施計画書を作成し建設大臣の許可を得て工事に着手することになる。
現在までに北海道内で決定している基本計画及び整備計画の概要は図−1の通りであり、各道ごとの内容は表−2を参照されたい。
3 供用延長
高速自動車国道の供用延長は、昭和54年3月31日現在全国で2,432kmに達し、予定路線延長7,600kmの32%が完成している。
一方北海道では、第11回冬期オリンピック札幌大会の開催を昭和47年2月に控え、昭和46年12月4日、道央道(千歳〜札幌間)23.3km、札樽(札幌〜小樽間)24.3kmがそれぞれ2車線の暫定断面で供用を開始し、オリンピック時の輸送に貢献したが、昭和47年9月19日道央道の残り2車線が完成供用され、北海道も本格的な高速自動車国道時代に突入した。
その後、昭和49年8月22日札樽道の4車線化が完成し、更に昭和53年10月24日7年振りに道央道(苫小牧東〜千歳間)11.6kmが供用を始め、現在道央自動車道35km、札幌自動車道24kmの合計59kmがそれぞれ12,000台/日の交通量を運んでいる。
表一3に全国・北海道の高速道路の整備率を示した。
表−3にみられるように、基本計画区間延長及び率は、全国に較べ北海道の持分はほぼ満足出来るが、施行命令、供用延長については、全国に較べ著しく立ち遅れており、北海道が全国の足を引張っている状態となっている。
4 今後の整備方針
昭和53年5月19日閣議決定を見た第8次道路整備五ケ年計画の中で、日本道路公団が所管する高速道路事業費から3兆9,100億円計上されており、整備目標として五ケ年計画終了時の昭和57年度末の供用延長を3,490kmとしている。これは、毎年2,600kmの完成を図る事を意味する。
一方、新北海道総合開発計画(計画期間53年度〜62年度)が昭和53年2月28日閣議決定された。この計画の中で高速道路は、「骨格幹線道路として、高速自動車国道については整備計画区間の室蘭・旭川間の完成を図る」となっている。
現在日本道路公団札幌建設局において施行中の道内の区間は、供用分の59kmを除き、北海道縦貫自動車道の虻田〜旭川間約236kmである。
各施行命令区間毎の事業概要(供用区間を除く)は表−4の通りである。
この内、昭和53年度末迄に約842億円の支出が見込まれ、昭和54年度以降の残事業費は約4,408億円となる。
次に供用開始の予定であるが、現時点での各区間ごとについて表−5の通りである。
この予定の通りに供用が進めば、昭和60年には、道央自動車道では室蘭東〜岩見沢間143kmが直結し、札樽自動車道の24kmと合せ167kmの高速自動車道が完成する事となる。
あとがき
以上、北海道の高速自動車国道の現況と将来について述べたが使高速国道は、走行費の節約、輸送時間の短縮、交通事故の減少等の直接効果の他に、輸送手段の合理化、地域開発の促進、市場の拡大、既存道路の交通混難の緩和等の大きな間接効果をもたらす。
一方農用地の転用、文化財の破壊、地域分断、騒音・振動等による環境悪化等のデメリットも併せ持っている。
札幌建設局では、諸計画に見られる道内での高速国道の位置づけを充分に認識しつつ、沿道地域と環境面でも調和が保たれるよう配慮を行いながら、高速道路の建設を進めて行く所存である。
関係各位の今後尚一層の御支援、御協力を御願いする次第である。