高速道路の現況と観光産業への劾果の一例
岡 田 孝 司
北海道土木部道路課
はじめに
北海道の高速道路は,昭和46年12月に道央自道車道(縦貫道)千才IC〜北広島IC及び札樽自動道(横断道)小樽IC〜札幌西ICの2路線が,共に2車線で供用開始されたときに幕開けとなりました。
高速道路が整備されることによる地域への影響は,一般的に輸送時間の短縮の直接効果をもとに産業基盤関連と生活基盤関連に大別され, さらに,地域の土地利用開発のインパクトになるといわれています。
本稿では, 本道の現況概要と,昭和60年10月に供用した登別東インターから,登別温泉の観光入込数への効果を資料不足ですが紹介します。
1・ 北海道の高速道路の現況
北海道の高速道路は, 昨年の第4次全国総合開発計画に基づく高規格幹線道路網の策定(全国14,000km),つづく,国土開発幹線自動車道建設法の一部改正により横断道が300km延伸され高規格幹線道路(一般国道自動車専用道路)は5路線450kmが策定された。
高規格幹線道路網(1,813km)
国土開発幹線自動車道建設法に基づく高速自動車国道2路線 1,363km
建設大臣の指定に基づく高規格幹線道路(一般国道自動車専用道路) 5路線 450km
この結果,本道の高速道路網の延長は1,063kmから1,813kmへと大巾に拡大し,高速道路利用1 時間範囲が本道人口比の約98%がカバーされることになった。
縦貫自動車道は,昨年開通した岩見沢〜美唄間につづいて本年10月には美唄〜滝川間27.6kmが開通予定であり,登別・室蘭〜滝川迄191,3 kmが結ばれ,横断道の小樽〜札幌西を合せ215.6kmの供用となり待望の200km台が到来する。
さらに, 深川・旭川へと60年半ばの供用を目途に工事が進められている。虻田〜登別・室蘭も伊達迄を67年を目途に工事が進められている。また,長方部〜虻田間も今年度の路線発表に向けて調査が進められている。
横断道は,札幌西〜札幌間が札樽自動車と道央自動車道を結ぶ高速道路の要衝であるとともに,札幌市内と高速を結ぶことから67年を目途に全区間で工事が進められる。清水池田間は,用地取得,エ事着手のための設計協議が関係機関と進められており, さらに千才〜夕張間も今年度の路線発表に向けて調査が進められている。
一般国道の自動車専用道路として整備する5路線は,第10次道路整備五箇年計画(昭和63年度〜昭和67年度)の中では,事業中の区間について整備を促進し一部区間について供用を図り, また,他の区間は調査を推進し,高速自動車国道と一体となって整備する区間, さらに峠や沿岸部におけるネットワークの形成上のあい路区間など効率的活用が図られる区間から逐次整備に着手するため,北海道開発局において,計画,調査,工事実施が進められている。
昭和63年事業化路線
日高自動車道〜整備促進(国道234号沼の端道路,国道235号苫東道路)
旭川・紋別自動車道〜調査促進(上越白滝道路)
帯広・広尾自動車道〜調査促進(川西中札内道路)
2. 高速道路の整備による登別温泉の観光入込数の効果
本道は自然に恵まれた多くの観光資源が道内一円に分布し,道内・道外の利用客は年々増加している。昭和55年に約8,260万人であったものが,昭和60年では約9,350万人とこの5年間で1,090 万人, 1.13倍の伸びを示してい.る。
観光圏別では道央観光圏が最も多く全体の約51%を占め,次いで道東観光圏となっている。観光入込客数の内訳は,昭和60年で道外客が2,730万人(29%),道内客が6,620万人(71%)となっており, この内日帰客が7,540万人で80%を占め,宿泊客は1,810万人(20%)となっている。
3. 全道の観光入込数と登別温泉の入込数の比率
全道平均は表−1から昭和56年が前年より落込んでいるが,翌57年度からは増加に移り特に,59年度からは一定の伸びを(対前年度約5%)を表している。全道平均に対し登別温泉は,56年度は大巾な落込みがあり, さらに58年にも再度の落込みがあり全道平均を大巾に下回っている。59年度,60年度は全道と同じ伸びを表しているが,昭和60年10月の登別東インターチェンジの供用により,昭和61年度の伸び率は全道平均を大巾に上回る数値となっている。
表−4からもインターチェンジ供用後の伸率の増加が見られる。表−5からは, インターチェンジ供用の前年の月別入込数と,供用年60年及び供用後の61年の月別比較であるが,昭和60年10月からは確実に入込数が増加していることが示されている。
昭和62年度の資料がまだありませんが,登別温泉関係者の話しでは,62年度も前年を上回る入込数と聞いており入込数の増加は高速道路の整備と云われています。
62年度の資料ができますと, より精度の高い比較が可能となりますが,今回は, データ不足ですが高速道路の整備効果の一例として紹介させていただきました。
観光客が北海道経済をもたらす波及効果は年間1兆円をこえると試算されており,観光産業の重要性は年々高まる一方であり, このため,道内の観光地を効果的に連絡するルートの拡大が必要であり, これを実現するため高速道路を整備することが,観光事業にとって需要の増加に結びつき,効率の良い周遊ルートを構成することが可能となります。
おわりに
広大な面積を有する本道にとって高速自動車交通網の整備は,地域間の時間距離を大巾に短縮し,産業経済の活動や生活圏の拡大を支えるなど,本道の均衡ある発展と地域の振興を図る上でその役割はきわめて重要であります。
そのためにも,整備計画区間への大巾な組入れをはじめとする高速道路整備の運動を,道と市町村および民間が一致協力して推進することが,本道の高速道路網の整備につながるものと思います。