北海道で5年暮らしてみて
株式会社
ビー・ユー・ジ
ゲーザ・オルデハーフェル
(ドイツ国籍
札幌在住)
こんにちは、ゲーザ・オルデハーフェルです。現在、札幌にあるコンピュータソフトウェアを開発する株式会社BUG(ビー・ユー・ジー)で、マニュアルの翻訳、レイアウト、写真編集などの仕事をしています。
会社での仕事の傍らに、特別休暇を利用して、フリーランスでドイツ語と日本語の通訳もしているので毎日忙しい日々を送っています。
日本に来る経緯
私は、1963年にドイツの北にあるハンブルグ市に生まれ育ちました。昔から日本に興味をもっていて、高校時代から囲碁と空手を積極的にやってきました。日本のことをもっと勉強したいと思い、高校卒業を控え、ハンブルグ大学の日本学科に入学しました。大学で日本語、日本の古典文学などを勉強して、1989年に1年間、京都に留学しました。その後、大学院に進んで、1992年に日本学修士を取得しました。
なぜ卒業後、再び日本に来たのか?
1つめの理由は、大学の勉強はあくまでも抽象的なもので、現代の日本に一切触れていなかったからです。伊勢物語を読んだり、平安時代と鎌倉時代の文学における文法の進行を研究したりするという勉強は結局、大学の教授になろうと思わない限り、あまり役に立たないように思えました。面白くなかったわけではないですが、あまり実用的だったとは言えません。
2つめの理由は、一度ドイツの会社に勤めて、安定した生活を始めたら、動けなくなるのではないか、という心配でした。
それで、非常に良い計画を立てました。それは、まず一年日本の会社で働く。その間、日本の現代の姿を中から観察し、そして忘れていた日本語を復活させてから、ドイツに帰るという計画でした。そして帰国後に、翻訳会社を設立するつもりでした。それからもう5年が経っています。
日本の会社に勤めて
最初の勤務先は、帯広市にあるグリュック王国でした。
仕事の内容(ドイツ人と日本のスタッフの間の通訳、イベントの司会、契約書からレストランのメニューにいたるまでの翻訳)は非常に面白かったです。
しかし、他のドイツ人と一緒に行動しているので、日本にいるのに普段は、日本語よりもドイツ語を話していました。
これでは、環境を変えないと、目的を果たせないと思って、札幌に来ました。株式会社BUGに入社してもう3年が経っていますが、仕事と勉強することがまだ山ほどあります。ドイツに帰る計画を立てる時間が今のところはありません。
北海道の魅力
〔人 間〕
日本に滞在する理由は、もう1つあります。それは北海道での生活のしやすさです。北海道に来て、まず驚いたのは、人々のオープンさと親切さでした。例えば、北海道で道を訊ねたときは、私が外国人であることに関わらず、いつも親切丁寧で教えて下さいます。
他の地方で、道を聞こうとしたらにげられたこともあるのに対して、北海道では、逆に道を聞かれることさえたびたびあります。
〔環 境〕
北海道は自然が豊富なので、暇があるときに、その自然をできるだけ楽しむことにしています。登山をしたり、十勝で馬に乗ったりして、仕事でたまったストレスを解消します。
日本人の一般的な休暇に対しての考え方はドイツ人の考え方と大分違っているようです。最近は少々変わって来たと思いますが日本人にとって休暇は仕事の延長線にあるようなもので、忙しく何かをしないと気が済まないという印象を受けました。
最近、休暇を本当に休暇あるいは休養のために使って、森で散歩したり、馬に乗ってトレッキング(馬に乗って遠足すること)したり自然を楽しむ人が増えています。
また、多くの人々がこういう風に暇を楽しめるために車を中心としている考え方を少し見直して、歩道、自転車・馬の道をより積極的に作ってほしいところです。
北海道は今まで、技術、人材とそれに伴って考え方を本州などから持って来て開発を進める傾向にありました。しかし、将来の役割は、すでに持っている資産である自然を利用して、新しい技術および新しい生活のスタイルを開発し、全日本に広げることができれば、すばらしいことだと思います。
1996.12.25
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