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テクノポリス関連交通体系について

山 本  能 史

函館市土木部主幹

 

テクノポリス函館の概要

 テクノポリスとは,英語の“テクノロジー”(技術)とギリシャ語の“ポリス”(都市とか国家)を合わせた造語で高度技術集積都市とも呼ばれている。

 昭和55年7月通産省からテクノポリス構想が発表されて以来全国から20地域が地域指定に向けて立候補し,その結果昭和60年3月迄に15地域が指定されている。

 内訳としては,本州に8地域,九州に6地域,北海道においては函館のみである。

 全体としての密度をみると九州が一段と高いがその理由としては, ICなど,時代の先端産業が立地し通年での交通体系が確立しており,工業出荷額等の裏付けがあったからだろう。

 そこで「テクノポリス函館は」<歴史と伝統にはぐくまれた国際性がひらく北方圏テクノポリス>を基本理念に,明るく豊かな明日の函館を目指した21世紀の街づくりに向けて, メカトロニクス,フアインケミカル, バイオテクノロジーなどの高度技術を活用し,海洋関連を中心に産業群の形成,展開を図るとともにベンチャービジネスや, ソフトウエア産業などの育成を目指そうとするものである。

 テクノポリス計画自体,地域特性に合致したそれぞれの手法はあると思われるが「テクノポリス函館」は産・学・住の機能が1ケ所に集まる「集中方式」でなく,圏域各地域の立地条件や機能特性などを生かし, それぞれが有機的に連携する「分散方式」を採用しており以下3つのゾーンで構成されている。

(1) 函館空港と函館港臨海部等を結ぶ新しい環状道路を軸に生産・研究開発, さらに居住の各機能の中心となるメインゾーン。

(2) 函館市と上磯町の海岸地域からなる海洋関連ゾーン。

(3) 七飯町の大沼と大野町に広がる国際交流,保養,レクリエーションゾーン。

 

国際都市函館を目指して

 「テクノポリス函館」は地域指定を受けた59年以降段階的整備を行ない昭和75年には新世代の街として生れ変ろうとしている。

 今さら述べるまでもなく函館は安政6年(1859) 横浜・長崎とともにわが国最初の国際貿易港として, アメリカ・オランダなど欧米各地との交易が開姶された。

 現在は滑走路2,500mの空港を有し国際空港の代替空港として滑走路3,000mの拡張とその他の設備の充実を図るための施策を展開し北海道の表玄関「陸・海・空」の要衝の地をさらに「テクノポリス函館」をインパクトとして国際都市函館へ飛躍しようとしている。

 この「テクノポリス函館」は函館を中心として上磯町,大野町,七飯町のいわゆる函館圏(約962km2の範囲で展開され,その波及効果は圏域だけにとどまらず,南北海道を1次影響圏とした2次, 3次影響圏の構成が期待される。

 この効果を有機的・機能的に関連させながら起因させるのが交通体系の確立とその効果的整備であると言えるのではないだろうか。

 大都市圏から遠隔地である函館にあっては,大都市圏を日帰り行動圏にし,更には,研究機能の集積,生活活動の拡大のために空港を,国際化する必要がある。

 又,道央圏との連絡を図るため新幹線及び高速自動車道の存在も不可欠であって, 日帰り可能圏として結合されなければならない。

 ちなみに函館圏における地域間地域内交通の幹線道路として函館空港,函館港,工業業団地を短絡する。環状道路である新外環状線が計画決定された。

 少しでも早い時期に安定走行の確保が期待出来るハイレベルの都市計画道路としての整備が望まれる。

 そこにはその建設ステージについての検討も重要ではなかろうか。

 これらの交通体系を確立し整備することによって「情報のハイウエイ」としての負荷価値も高まり,物理的遠隔性を情報の近接性で補完することも可能となるわけで,情報焦点としての機能をテクノポリスに寄与することができ,とりわけ専門的な技術情報については, コンピユータと通信回線の連動により技術研究のべーシックサポートの役割も果すことができるであろう。

 したがって,分散型の「テクノポリス函館」施設群の一体化には, この交通体系の確立が急務であって青函トンネル開通による東北新幹線の函館までの延伸や新幹線に変るべく最近急速に真剣に取り組まれている新幹線よりコスト面やスピードが数段すぐれていると言われる「浮上式鉄道」のクローズアツプ,さらに北海道縦貫自動車道の函館〜虻田間の早期着工,そして自動車専用道の建設による安定走行の確保といった, より具体的な明確なアクションプログラムによる積極的施策の展開が必要であろう。

 

都市内交通と大量輪送機関について

 「テクノポリス函館」を基幹とする街づくりと観光都市函館による街づくりの両政策の接点のなかに各地域における一般施策の整備計画や開発構想をセッティングして,将来の街づくりを考えていくわけであるが, その場合,第1に交通の合理的でかつ,明確な機能分担を考慮する必要がある。

 現在函館には市,民営バスはもちろんのこと大正2年6月に開通した北海道では初めての路面電車が並設軌道で走行しているが, これが戦前,戦中,戦後と我が国の歴史の中で着実に市民の足としてサービスレベルの向上にその機能を発揮して来たが, これも現在のクルマ社会の中でその存在自体も危ぶまれている状況にある。

 そこで抜本的対策として昭和55年, 56年の2ケ年にわたり 「路面公共交通計画調査」を実施したがその中での実態調査でのアンケートに次のような設問がある。

 “あなたは通動,通学にご利用されている自動車を止めてバスまたは市電を利用するとしたならば,それはどういう理由からですか。”

○この結果, スピードアップして所要時間が少なくなったとき。

○ラッシユ時の混雑が解消されたとき。

といった路面公共交通機関輸送体質の改善がともなえば約40%のマイカー利用の市民が転換すると答えている。

 したがって,現在電車の表定速度が12.8km/hと下降現象を起している反面冬期においては安定運行といった路面電車の特徴をとらまえれば, ラッシュ時に影響されずにスピードアップが図れるような輸送体質の改善をすれば単的に利用価値が上るという結果が出た。

 それならば輸送体質の改善は一体どうするのかというと,考えられることは,現在の路面電車の軌道敷の利用と新市街地まで拡大した新交通システムの導入であり, これによって一定の速さ,頻度,安定性のある交通サービスが確保され,経済,生活圏の確保を図るべきであると考える。

 「月報都市モノレール計画」最新号で耐雪,耐吹雪,耐地吹雪に対して良好な結果とのタイトルで試験結果が報告されていたが函館の将来を真剣に考えた場合は英断"も必要ではないだろうか。

 今,函館は「テクノポリス函館」をインパクトに技術と文化の高度集積をめざしているが,分散している各機能を有機的に連絡するゾーン間道路と機能分担が明確化された新交通システムが合理的にかつ効率的にそれぞれコモンコースさせて21世紀における理想的な新しいまちづくりの骨格として位置づけることが我々に果せられた課題であろう。

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