旧正月雑感

     節分が来ました。
だいたい順応性が高いというか意気地がないというか、正月は普通に休んで普通に祝って楽しみますが、気分的には節分を越えると「更新」という感じがしています。去年の2月5日にギックリ腰になって、それが治った後の秋には右足の捻挫と右肩の五十肩に見舞われ、肉体はさんざんでした。でも、節分過ぎれば良くなると言う確信があったのでじっと我慢して、やっとその節分が来ました。どうなることかと思った捻挫も五十肩もゴールが見えてきています。何故節分にこだわるかというと、いわゆる暦を見てみると干支というヤツは節分で変わるんですね。だから1月1日から2月の3日くらいまでに生まれた人は前の年の干支になるわけです。ウチの連れ合いは2月1日生まれでずっと午年だと思って育ち、それで足が速いとか言われてたんですが、これは実は巳年なんですね。まあ、それは雑学といったレベルの話題だったんですが、どうも体調とか、出来事とか、運気とか、この節分を境に変わっているような気がしてきたのがこの十年くらい。意識し始めたらどんどんそうなってきた感じのする昨今なのです。まあ、運勢で見れば節分過ぎて悪い年が始まることもあるわけですが、一年のツケやウミが年末調整のようになってきて節分前に放出され、節分過ぎてすっきりとするという都合のいいとらえ方をしています。
そしてもうひとつ、理屈も含め旧正月を祝いたい気持ちも強いです。ただ、身近に中華街もないし、ささやかに祝う程度になっていますが、亡命チベット人の友達などと話していると結構リアリティーを感じます。旧正月は陰暦なので新暦で表すと毎年同じ日になりません。去年は2月16日でした。ところが今年は2月5日なんですね。節分、立春、旧正月と三が日のように並ぶんです。西暦2000年にこじつけるわけではないですが、なんか特別の年のように思われます。だから5日には宴会やるつもりですし、このホームページの表紙の賀正の絵もずっとはずさずにいたわけです。
ほんとにここ数日でいろいろと変わったり、起きたり、些細なことから結構大事なことまでいろいろありました。去年もニューオリンズ行ったり沖縄行ったりいろいろありましたが、全体的にはギックリ腰以降不調だったので今年が楽しみです。
節分うんぬんとは別のことですが、どんと君が急逝しました。HARRY&MACの沖縄同行記に書いたように首里で沖縄そばを食べているところに駆けつけてくれて、縁が出来たと思っていた矢先だったので驚きました。僕は軽く挨拶したくらいだったので彼の記憶に残っているかどうかわかりませんが、三人が話をしているのを聞いていて印象に残ったことがあったので忘れられないひとときになっています。
それは、彼が家族ともども沖縄に越してきて、だんだん地元となじんできて楽しく暮らしているが、どうしても越えられない壁があってストレスになっているという話でした。それは言葉です。彼が本当に憧れてその場にいる幸せを感じるのは地元の人達が歌や踊りで盛り上がっている時なのですが、その時の言葉、ウチナーグチが何を言っているのかわからなくて辛いんですよ、と言っていました。別によそ者扱いされているわけではないんだけれど、言葉がわからないことで困っていたようです。ご冥福をお祈りします。
(2000/2/3 三上敏視)

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