アボリジニからのメッセージ-2

オーストラリアからの最新の情報によれば、昨年アメリカ西海岸に長老と共にキャンペーンに行ったロバート・エギントンはアメリカン・ネイティブと交流しながら記者会見などを行い、著者マルロ・モーガンとの面会を求めましたが実現しなかったそうです。
ニューヨークでもテレビ局がスポンサーになり会談を企画しましたがこれも実現していません。 ロバートによれば著者はすでにアメリカでは講演活動が出来なくなっているが、情報が届いていないヨーロッパを回ったりしているそうで、その延長に日本講演があるのだろうということです。
ロバートは93年9月に札幌へ長老や仲間と共にやってきて札幌アイヌ文化協会主催の「新しい鮭を迎える儀式〜アシリ・チェプ・ノミ」に参加、その年の2月に彼らの文化フェスティバル「KYANA」にアイヌ民族の代表が招待された返礼として招かれました。
それ以来アイヌ民族との連帯は続いているので、ロバートは今回のマルロ・モーガンの日本公演に対するアクションにアイヌ民族の協力を求めています。
またロバートは95年11月に神戸で行われた「横尾忠則+細野晴臣コラボレーション〜アートパワー展」という震災復興支援のイベントにも二人からの要請で長老と共に来日。このイベントの参加者や取材のマスコミにはすでにこの問題が伝えられていました。このたびのマルロ・モーガンの日本講演の一回目の場所が神戸というのは皮肉なものです。(4/8 三上敏視)

ロバート・エギントンがマルロ・モーガンの日本講演に合わせて長老ポール・サンピ氏とともに来日しました。
8日にまず神戸に入り、大阪、神戸、京都、東京などで多くの人たちのサポートを受けてキャンペーンをしたあと、アイヌ民族との交流のために北海道に来て2日間滞在、21日に離日をしました。この間の関西、東京でのキャンペーンの様子は
「先住民族の10年市民連絡会」の中に立ち上がりましたのでごらん下さい。

北海道での彼らは白老、登別、二風谷、千歳など、各地のアイヌの人たちと交流をしてリラックスして帰りました。
印象的だったのは、モーガンの本を信じてなかば信者のようになっている読者の人たちのことを彼らが心配していたことです。特に会場まで足を運んだ読者の人たちには悪意はなく、むしろ今の日本の中では心の純粋な人たちなだけに巧妙なニューエイジビジネスの犠牲者とも言えるでしょう。「サンタクロースを信じている子どもに、サンタはいないんだよと告げるようなもので心が痛む」と言っていました。
今回のロバートたちのキャンペーンは「メッセージスティック」の中にもあるように、世界中の先住民の文化や知的所有権が特にニューエイジの世界の中で搾取され続けているという背景もあって展開されています。
そういう意味で、主にアメリカ経由で入ってくるニューエイジを鵜呑みにしがちな日本にとって重要な出来事だったと思います。ただマルロ・モーガンと「ミュータント・メッセージ」を敵として糾弾するのではなく、オウム事件以降も変わっていない我々の洗脳されやすい体質に厳しく自己チェックを入れながら、真実の情報と出会うように努めなくてはならないでしょう。(4/22 三上敏視)

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