ORGANIC MUSIC

ORGANIC MUSICは三上敏視のパーソナル音楽のコンセプトネーム。
96年3月にリリースしたCD『気舞』をそのシリーズの第一弾としている。
第二弾は『気舞2』として03年にリリースされ、08年からは収録曲を若干変えて『観気巡音』というアルバムになっている。
ORGANIC MUSIC[有機音楽]の概念については細野晴臣氏が『気舞』のライナーに非常に深い文章を寄せてくれている。

現在マスメディアを飛び交うポップミュージックは、
際限なく疲労した経済原理の上で危うく成立している。
そうではなく、自然世界という視野を持つ有機的な音楽が、
世界のあらゆる所から産まれ出していることが重要だ。
この20世紀を支えてきた様々なイデオロギーの
世代交代の響きを、そこから聴き取ることが出来る。
かつてなく開けた眼、耳そして心の視野はもはや観念を超えて、
自然界の塵ひとつぶにまで及んでいるかもしれない。
自然の中に生きる自己と、自己の中に生きる自然を
見い出す眼が、塵や見えないものを蔑ろにはしないといえる。
このような全体感覚はアンビエントといわれる音楽の中にもある〜オーガニック〜
つまり有機的感覚という、来るべき21世紀を万全に迎えるための
主調となりうるものだ。
こうして有機音楽は、たとえ電子的であろうとなかろうと、
創り手と聞き手との間に気がめぐることになる。
三上敏視さんの『気舞』は、
彼がここ数年で見事に気を熟成した音楽だと思う。

細野晴臣



なお、このほかに『香功』(かおりこう、または中国読みでシャンゴンと読む)という気功法のための動作名称アナウンス入りの音楽をCDでリリース、アナウンスなしの『香功2001』も出している。

三上敏視プロフィール
1953年愛知県生まれ。武蔵野育ち。1978年に札幌に移り、バンド活動や自主制作映画活動などに参加。QUOTATIONSの活動のほか、映像作家山田勇男の作品で音楽を担当。友部正人やあがた森魚などの札幌でのライブのサポートも多い。1988年から93年にかけてアイヌ民族の文化活動の手伝いをする。別冊宝島EX『アイヌの本』の編集協力。最近はオーストラリア先住民アボリジニの楽器、ディジェリドゥーの演奏も始め、宗教学者鎌田東二氏の奉納演奏や細野晴臣&環太平洋モンゴロイドユニットなどに参加。気功音楽も手がけ、『香功』のための音楽を制作。96年にリラクゼーション音楽CD『気舞』03年に『気舞2』(現在は『観気巡音』)をリリースしている。
01年からはMICABOX名義でソロ活動を開始、細野晴臣のレーベルdaisyworld discsから04年5月に『ひねもす』をリリースする。










写真はチベット・ヤルツァンポ川河原にて鎌田東二氏の石笛と三上のドゥンチェンによる奉納演奏(96年)

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